鏡面磨きのスピードがアップするドライワックスの作り方

◆鏡面磨きのスピードがアップするドライワックスとは

鏡面磨きを行う際の懸念として、鏡面磨きはどうしても作業時間がかかってしまうということが上げられます。

プロの靴磨きの現場では仕上がりのクオリティーはもちろんですが、仕上がりのスピードも重要視されます。

今回は実際に靴磨きのプロ達も実践している、ドライワックスの作成方法を紹介します。



◆ドライワックスとは?

ドライワックスとは新しい状態のワックスを乾燥させ固くなったワックスの状態を指します。

乾燥させることによってワックスに含まれる水分や有機溶剤を揮発させます。

揮発でワックスの成分が濃縮されワックスが濃くなる為、効果的に艶を出すことが可能。

ワックスが固くなるとワックスの伸びが悪くなり磨くのにコツはいりますが、

ポリッシュウォーターなどを使用してアルコール分でワックスを柔らかくしながら磨くと、

より効率的に鏡面磨きをすることができます。



◆ドライワックスの作成方法と注意点

作成方法は、非常に単純、新しく購入してきたワックスの蓋を開け1週間ほど乾燥させるだけ。

ワックスの好みの固さは作業者によって違うので、好みによっては乾燥期間が短くなったり、長くなったりします。

乾燥させる際は、かなり臭いがでるので、屋外で乾燥させることを推奨します。

その場合は風よけなどを作成して砂や埃などが入らないようにしてください。

使用した際に鏡面箇所に汚れが入り仕上がりを悪くしてしまいます。

乾燥させたワックスはおおよそ二割〜三割ほど縮みます。

これは当初説明したように、水分や有機溶剤が揮発したことが理由。


ちなみに、海外から輸入しているワックスは販売まで時間がかかる場合があるので既に乾燥している場合があります。

購入の際に状態を確認できるのであれば、確認したほうがいいかもしれません。

乾燥状態によっては色差もある場合があります。


ドライワックスを作成する際は、必ず新しい状態のワックスで作成してください。

中途半端に使っているワックスだと場所によって乾燥状態が変化するので、逆に使い難いワックスになってしまう可能性があります。

ドライワックスは成分を濃縮している分、光沢を出しやすくなりますが、ワックス本来に含まれる栄養はなくなってしまいます。


使用する際は必ず、通常の靴磨きで革に栄養を与えた状態で作業してください。